「ストレス社会」と呼ばれるようになった現代日本。そんな中、様々なストレスに揉まれ苦しんでいる方はいらっしゃいませんか?
神経症はストレスからくる病気の代表であり、現在の発症者数は人口の1割を超えるとも言われるほど急増しています。
そんな神経症には実は漢方が有効です。
今回は神経症に効く漢方薬の選び方と、人気の漢方薬についてランキング形式で紹介していきます。
自分ひとりだけで悩み苦しんでいては前に進めません。治療にあたって、こちらの記事を参考にして頂ければ幸いです。
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神経症の原因
神経症とは、「不安障害」「不安症」とも呼ばれ、不安を主症状とする精神疾患群を総称した疾患です。よく耳にする「パニック障害」や「PTSD(外傷後ストレス障害)」、「強迫性障害」などもこの神経症に分類されます。
そんな神経症の原因は、実は未解明な部分が多いのが現状です。有力な説としては、性格的要因、環境的要因、身体的要因の3つが挙げられます。
性格による原因
個人がもつ性格は、神経症の発症に影響することがあります。
特に神経症になりやすいのは、以下の5つのタイプを持った人です。
・内気で自己内省的
・執着心が強い
・感受性が高い
・欲望が強い
・我慢強い
我慢強い性格は、一見神経症とは関係のないことのように思えますが、実はこれも原因となっています。
強そうに見える我慢という行動には「他人に嫌われるのが怖い」などといった不安や心配といった負の感情が伴っているためです。
環境による原因
社会的ストレス・過去の恐怖体験・学校でのいじめ・家庭内虐待など、様々な心理的要因が神経症を引き起こしてしまいますし、親からの過保護も神経症につながることもあります。
しかし、これらは完全に証明されたわけではないため、必ずと決めつけることができるような要因ではありませんが注意が必要でしょう。
身体的な不調などによる原因
かつては心理的要因が神経症の主な原因であると考えられていましたが、最近では身体的要因も関係していると唱える説も有力になってきています。
身体的要因として、脳内の神経伝達物質であるセロトニンが減少しているのではないかという可能性が示唆されています。また、セロトニンの分泌量を調節するセロトニントランスポーターには遺伝性が認められていることも分かっています。
症状別の神経症に効く漢方薬の選び方
一口に「神経症」といっても、その人の体質と症状によって処方される漢方薬は異なってきます。
ここでは症状別にどのような漢方が効果的なのかをご紹介していきます。漢方は症状に合わせて服用することも大切ですが、体質に合わせて服用することで症状の改善の期待度をあげることもできますので、体質による選び方にも触れていきます。
ご自分の症状に合っていて、体質に合った漢方はあるでしょうか?
体力があり、イライラしがちな方
このような症状はありませんか?
・ストレスでイライラしがち
・高血圧に悩んでいる
・動悸がする
体力に自信があるけれど、過重労働で神経が過敏になっている方には「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」がおすすめです。物音に過剰反応を示し、普段気にならないような小さなことでもイライラしてしまう場合に効果を発揮します。
睡眠に悩みを感じている、眼精疲労がある
このような症状はありませんか?
・睡眠障害(寝付けない・眠りが浅い)がある
・眼に疲れを感じている
・疲れやすい
体力がない方のイライラや不安には「抑肝散(よくかんさん)」がおすすめです。医療現場では高齢者における認知症の周辺症状(不穏や徘徊など)を抑制するために幅広く用いられています。本来は子供の夜泣きに対して使われていました。
また、疲労困憊しているのに寝付けない・眠りが浅い・よく悪夢を見る...などの場合は、「桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)」がおすすめです。
高齢者のうち、物忘れを伴う神経症には「加味帰脾湯(かみきひとう)」が用いられることもあります。
更年期障害など婦人科系の症状でお悩みの方
このような症状はありませんか?
・更年期障害を抱えている
・精神的な不安を抱えている
婦人科領域でも、ホルモンバランスの乱れによって神経症がみられることがあります。代表的な原因疾患は、更年期障害と月経前症候群(PMS)の2つが挙げられます。
「加味逍遥散(かみしょうようさん)」は、更年期障害にも月経前症候群にもよく用いられます。これらが引き起こす精神症状の大半を改善してくれる名剤です。また、血行不良で顔や手足に熱を伴う場合であれば、男性にも用いられます。
一方、更年期障害によるイライラには「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」、月経前症候群によるイライラには「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」が用いられます。桃核承気湯は、便通促進作用を示す大黄(だいおう)や芒硝(ぼうしょう)も含まれているため、月経前の便秘に苦しむ方におすすめです。
神経症に効く漢方薬の人気ランキング7選
それでは、神経症に効く漢方薬をランキング順にご紹介していきたいと思います。
7位:ツムラ 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)エキス顆粒

1,825円 (税込)
- 詳細情報
- 漢方処方 半夏厚朴湯
剤形 顆粒
内容量 24包
用法・容量 成人(15才以上)1包/回・2回/日
医薬品の種類 第二類医薬品
のどのつっかえ、空咳を伴うイライラに。
のどに何かひっかかったような違和感を感じることを「梅核気(ばいかくき)」といいます。これによって空咳(痰の出ない咳)が出るような神経症には本方が有効です。本方の鎮咳作用と行気作用(うっ滞した気を巡らせる作用)により、これらの症状が緩和されます。
しかし、本方は効き始めがかなり穏やかなため、急にストレス症状が現れた時には効果を示さないことが多いです。継続服用が必要な漢方となっています。
6位:ツムラ 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)エキス顆粒

2,465円 (税込)
- 詳細情報
- 漢方処方 柴胡加竜骨牡蛎湯
剤形 顆粒
内容量 24包
用法・容量 成人(15才以上)1包/回・2回/日
医薬品の種類 第二類医薬品
上腹部の圧迫感・動悸・便秘を伴う神経症に。
胸腹部の熱証(発熱・炎症)によって気が上衝することで、動悸やイライラが生じる場合に用いられます。本方には清熱作用や瀉下作用、精神安定作用など様々な効果をもつ生薬が含まれているため、便秘や肩こり・不眠などの症状にも用いられることがあります。
本方は脳のほぼ全域を抑制する作用があるため、眠気や倦怠感を引き起こす可能性があります。よって、日中に服用することは避けた方がよいでしょう。
5位:クラシエ 加味帰脾湯(かみきひとう)エキス顆粒

2,899円 (税込)
- 詳細情報
- 漢方処方 加味帰脾湯
剤形 顆粒
内容量 45包
用法・容量 成人(15才以上)1包/回・3回/日
医薬品の種類 第二類医薬品
過労で物忘れが多い・なかなか寝付けない方に。
貧血気味で心身ともに衰弱していて、物忘れや不眠を伴う方に用いられます。本方の補血作用によって体力が回復するとともに、脳の血流も改善させるため物忘れにも効果があります。高齢者の認知症に用いられることが多いです。
4位:クラシエ 加味逍遥散(かみしょうようさん)料エキス錠

2,874円 (税込)
- 詳細情報
- 漢方処方 加味逍遙散
剤形 錠剤
内容量 180錠
用法・容量 成人(15才以上)4錠/回・3回/日
医薬品の種類 第二類医薬品
婦人科系疾患の精神症状に。
本方は、婦人科系疾患の三大処方の一つともされている漢方です。血虚(血液不足の状態)や瘀血(血流がうっ滞した状態)によって生じる、更年期障害や月経前症候群の精神症状に効果的です。動悸やめまい、不眠などの改善も見込めます。
3位:クラシエ 桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)エキス顆粒

2,192円 (税込)
- 詳細情報
- 漢方処方 桂枝加竜骨牡蛎湯
剤形 顆粒
内容量 45包
用法・容量 成人(15才以上)1包/回・3回/日
医薬品の種類 第二類医薬品
疲れやすく、寝付きが悪い・眠りが浅い方に。
疲れきっているのに、いざ布団に入ると目が冴えて眠れない、寝付けてもすぐに起きてしまう。という方はいらっしゃいませんか?そんな方には本方がおすすめです。本方には、上衝した気を下降させて精神を安定させる作用があるため、睡眠障害を改善させる効果があります。
2位:松浦漢方 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)エキス細粒

3,213円 (税込)
- 詳細情報
- 漢方処方 抑肝散加陳皮半夏
剤形 細粒
内容量 48包
用法・容量 成人(15才以上)1包/回・3回/日
医薬品の種類 第二類医薬品
慢性化したイライラで、みぞおち周辺がつかえる方に。
「抑肝散(よくかんさん)」は、「気」と呼ばれる生命活動エネルギーの上衝を鎮め、不安や興奮を鎮静させる作用を持っています。
この抑肝散に「陳皮(ちんぴ)」と「半夏(はんげ)」を加えた漢方薬が、「抑肝散加陳皮半夏」です。陳皮と半夏は胃腸を整える作用を持っており、より精神を安定させてくれる作用があります。
1位:クラシエ 釣藤散(ちょうとうさん)料エキス錠

3,580円 (税込)
- 詳細情報
- 漢方処方 釣藤散
剤形 錠剤
内容量 240錠
用法・容量 成人(15才以上)4錠/回・3回/日
医薬品の種類 第二類医薬品
慢性的な頭痛・肩こりを伴う神経症に。
ストレス社会に揉まれ、慢性的に神経が疲れ、精神的ストレスで頭痛や肩こりがつらい。最近はそんな症状を持って来院する患者さんが増えています。そんな方には本方がおすすめです。
本方の清熱作用により気の上衝が鎮まり、発汗作用により頭痛や肩こりを治してくれます。耳鳴りやめまいなどにも効果があるため、現代人に多い悩みの大半を解決してくれますよ。
神経症におすすめの漢方の比較一覧表
商品画像 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
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商品名 | クラシエ 釣藤散(ちょうとうさん)料エキス錠 | 松浦漢方 抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)エキス細粒 | クラシエ 桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)エキス顆粒 | クラシエ 加味逍遥散(かみしょうようさん)料エキス錠 | クラシエ 加味帰脾湯(かみきひとう)エキス顆粒 | ツムラ 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)エキス顆粒 | ツムラ 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)エキス顆粒 |
特徴 | 慢性的な頭痛・肩こりを伴う神経症に。 | 慢性化したイライラで、みぞおち周辺がつかえる方に。 | 疲れやすく、寝付きが悪い・眠りが浅い方に。 | 婦人科系疾患の精神症状に。 | 過労で物忘れが多い・なかなか寝付けない方に。 | 上腹部の圧迫感・動悸・便秘を伴う神経症に。 | のどのつっかえ、空咳を伴うイライラに。 |
価格 | 3,580円(税込) | 3,213円(税込) | 2,192円(税込) | 2,874円(税込) | 2,899円(税込) | 2,465円(税込) | 1,825円(税込) |
詳細 | 漢方処方 釣藤散 剤形 錠剤 内容量 240錠 用法・容量 成人(15才以上)4錠/回・3回/日 医薬品の種類 第二類医薬品 | 漢方処方 抑肝散加陳皮半夏 剤形 細粒 内容量 48包 用法・容量 成人(15才以上)1包/回・3回/日 医薬品の種類 第二類医薬品 | 漢方処方 桂枝加竜骨牡蛎湯 剤形 顆粒 内容量 45包 用法・容量 成人(15才以上)1包/回・3回/日 医薬品の種類 第二類医薬品 | 漢方処方 加味逍遙散 剤形 錠剤 内容量 180錠 用法・容量 成人(15才以上)4錠/回・3回/日 医薬品の種類 第二類医薬品 | 漢方処方 加味帰脾湯 剤形 顆粒 内容量 45包 用法・容量 成人(15才以上)1包/回・3回/日 医薬品の種類 第二類医薬品 | 漢方処方 柴胡加竜骨牡蛎湯 剤形 顆粒 内容量 24包 用法・容量 成人(15才以上)1包/回・2回/日 医薬品の種類 第二類医薬品 | 漢方処方 半夏厚朴湯 剤形 顆粒 内容量 24包 用法・容量 成人(15才以上)1包/回・2回/日 医薬品の種類 第二類医薬品 |
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神経症を改善するためのセルフケア
一般的な神経症は、自分でマネジメントすることができます。以下では、神経症を緩和させるための簡単なマネジメント法をご紹介します。
規則正しい食生活
朝食は抜かずに1日3食しっかり取る
食事は1日3食しっかりとるようにしましょう。できるだけ毎日同じ時間に摂ることをおすすめします。一定の時間に食事をとることで、体内時計が正常になり自律神経系が安定します。
朝食は必ず摂るようにしてください。朝食は「1日に必要な活動エネルギー」を与えてくれます。また、噛むという動作は脳を活性化させる作用もあるため、朝食を摂ることで目が覚め、一日を元気に過ごすことができます。
栄養バランスを意識する
神経症の方は、食事のバランスが偏っていることが多い傾向にあります。健康維持のためには、日頃からバランスのよい食生活をすることが大切です。
ご飯・パンなどの主食、肉・魚などの主菜、野菜・海藻などの副菜、スープ・味噌汁などの汁物の4構成を意識した食事をすることで、バランスの良い食事をとることができます。
適度な運動
適度な運動は、体力向上だけでなく「うつの改善」にも役立つともいわれています。これは、エンドルフィンという脳内快感物質の分泌や、海馬の神経細胞新生にかかわる脳由来栄養因子の産生を促進させるためです。
また、適度な運動はリフレッシュ効果も期待できるため一石二鳥となるでしょう。
ウォーキングやジョギング、エアロビクスなど、継続できそうな有酸素運動がおすすめです。適度に汗をかき、日々のリフレッシュをするようにしましょう。
質の良い睡眠をとる
毎日しっかり睡眠をとることは、1日の疲れを取ると同時に翌日の活力を与えてくれます。
特に、継続した早寝早起きは体内時計の乱れを修正し、自律神経を安定させてくれます。朝は早起きして太陽の光を浴び、昼は元気に活動し、夜は早めにベッドに入るという生活リズムを確保しましょう。
また、毎日の起床時間と就寝時間を決めておいたり、就寝前にストレッチをしてリラックスしたりすることもおすすめです。
飲酒・喫煙は禁物
喫煙は一時的な不安を軽減する効果がありますが、長期間の喫煙は耐性や依存を引き起こしてしまいます。結果的に心身共に悪影響を与えてしまうため、喫煙は避けましょう。
飲酒もよくありません。よく、「眠れないから毎日晩酌をする」という方がいらっしゃいますが、実はこれは逆効果なのです。
確かに、アルコールには入眠作用がありますが、逆に眠りが浅くなり結局疲れがとれなくなってしまうというデメリットがあります。また、飲みすぎてしまうと二日酔いの原因にもなってしまいますね。
不安やストレスを乗り越える努力をする
不安やストレスは、生活していく上で避けることができないものです。不安やストレスを避けようとせず、むしろ「受けとめて乗り越えてやろう」という意識を持つことが大切です。
ご自分で苦手だと思うことや不得意なことはありませんか?食べ物の好き嫌いでもよいですし、犬が怖い、人前に立つのが苦手だ...など、人によって様々だと思います。
そんな苦手なことを避けるのではなく、絶好のチャンスだと思って挑戦するといった心掛けは、苦手意識を克服できるだけでなく、自分自身の心をプラス思考に変えモチベーションも高めてくれます。
是非、苦手・不得意なことに勇気をもって挑んでみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか?冒頭でもお話ししたように、神経症は未だに解明されていない点が多い疾患です。そんな疾患こそ、ご自分の体質と症状で選択できる漢方薬が有力です。
今回ご紹介した漢方薬を是非参考にしていただき、神経症の治療にお役立ていただければと願っております。
この記事を監修したのはこの人!
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