肘(ひじ)が痛い、ぞうきんを絞ると腕が痛いといった症状はテニス肘によく見られる症状です。テニス肘は簡単に言えば腕の腱鞘炎のことです。テニス肘は腕を動かすことが多い方によく見られますが、なかなか治りにくい病気とされています。テニス肘の痛みを抑えるのに湿布薬は補助的に使うのには手軽で便利な方法です。
湿布薬には冷湿布や温湿布、テープ剤など多くの種類が市販されていますが、症状や好みによって使い分けるとより効果的に安全に使うことができます。そこで今回はテニス肘におすすめの湿布薬の選び方と人気の商品をランキング形式で紹介していきます。テニス肘に悩んでいる方はぜひ読んでみてください。
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テニス肘の原因とは
テニス肘とは上腕骨外側上顆炎のことで、肘の骨と筋肉をつなぐ腱(けん)が痛むことによって起こります。年齢の高いテニス愛好家によく見られる症状であることからテニス肘と呼ばれています。しかし、テニスをしていない人でも起きることがある病気であり、主に次のような方は注意が必要です。
・高年齢の方
・テニスやゴルフなど腕をよく動かす方
・重たい荷物を持つことが多い方
・赤ちゃんや孫などを抱っこしている時間が長い方
など
主な原因はまだはっきりわかっていないこともありますが、筋肉が硬いから、筋肉の使い方が悪いなどいくつかの説が考えられています。しかし筋肉を使っていてもテニス肘にならない方もいます。最近では、肘に血管が増えているために痛みを感じやすくなっているという説が有力になっているようです。
テニス肘におすすめの湿布の選び方
テニス肘の治療はまずは肘をあまり使わないで休ませることが基本ですが、補助的に湿布薬や痛み止めを内服して痛みを緩和させる方法が取られます。また、症状がひどい場合には腕にステロイドなどの注射を打つこともあります。
湿布薬でテニス肘を治すこと自体はできませんが、自分で対処できる程度の痛みであれば痛みを緩和することはある程度は可能です。
なお、テニス肘かどうかわからない場合や医師から治療を受けている場合はその指示に従うことが優先です。医師から自分で湿布薬を使って対処して良いと言われた場合や痛みが軽い場合に市販の湿布薬を活用するようにしてください。
剥がれにくい湿布を使いたい方に
テニス肘は肘から前腕にかけての痛みが出ることが多いので、肘のような関節部位には貼りやすいタイプの湿布薬がおすすめです。湿布薬には白くて水分を多く含むパップ剤と、肌色タイプが主流になるテープ剤の2種類がありますが剥がれにくいのはテープ剤の方です。
テープ剤は薄くて張り付きがよく、メーカーによっては伸びが良い商品もあります。肘のまわりはよく動かすことからも、伸びが良いテープ剤を選ぶと剥がれが気になりにくくなります。ただし、剥がれにくいテープ剤は密着性が高い分、肌のかぶれを起こしやすいので注意が必要です。
効き目の高い湿布薬を使いたい方に
痛みが強いときはなるべく効き目の高い湿布を選びましょう。湿布薬に含まれる消炎鎮痛成分には強さのランクがあり、最も効き目が高い成分としては「ジクロフェナクナトリウム」「ロキソプロフェンナトリウム」が挙げられます。これらは医療用成分としても使われており、高い鎮痛効果と抗炎症効果があります。なお、ロキソプロフェンナトリウム含有の湿布薬は要指導医薬品であり、薬剤師からの説明を受けてから購入することが必要になります。
また、次いで効果が高い成分として「フェルビナク」「インドメタシン」などがあります。これらの成分でも十分に痛みをとる効果は高く、多少なり価格も抑えられるのでおすすめです。
急性の痛みを和らげたい方に
湿布薬には冷たく感じる「冷湿布」と温かく感じる「温湿布」があります。冷湿布は主に急性期の痛みに適しており、痛みがあり、熱や腫れがあるときに使います。テニス肘の痛みが起きたばかりであれば冷湿布がおすすめです。 水分をたっぷり含んだパップ剤の方が冷やす効果はより高めです。
慢性的な痛みに悩んでいる方に
痛みが慢性的になっている場合には温湿布がおすすめです。テニス肘であっても症状を繰り返しているような場合には温湿布に変えてみると効果が出る方もいます。どっちが良いか判断するには、お風呂に入ったときに楽に感じるかどうかが指標になります。温めて楽になるならば温湿布が良いでしょう。なお、急性期の痛みのときは患部を温めるのはNGです。
肌がかぶれやすい方に
肌が弱い方やテープの粘着剤に反応してしまう方などは湿布薬ではかぶれてしまいがちです。肌への貼りつきの良いテープ剤よりも水分を多く含むパップ剤の方が肌には優しいです。ただし、どんな湿布でもかぶれてしまうという場合には、ゲルやスプレーなど塗るタイプのものを選ぶというのも手です。
テニス肘におすすめの湿布薬人気ランキング10選
次にテニス肘におすすめの湿布薬をランキング形式で紹介していきます。なお、ぜんそくを起こしたことがある人は湿布薬の成分によって発作が誘発されることがあります。あらかじめ医師や薬剤師に相談してから購入することが大事です。
また、妊娠中、授乳中の方、15歳未満の方なども使用できない場合がありますので予め確認することをおすすめします。
10位 【第2類医薬品】ハリックス55ID温感H

インドメタシン配合の温湿布
ハリックスシリーズは比較的低価格であり、常備薬としても汎用性が高く使いやすい商品です。この湿布薬は優れた鎮痛効果をもつインドメタシン配合で、痛みのもとを直接抑えます。
唐辛子エキス配合で温めて患部の痛みを改善します。肌がかぶれやすい方にも適している弱酸性・高含水基剤(PAC-55)のパップ剤を使用しています。
9位 【第3類医薬品】のびのびサロンシップS

薄手のパップ剤でよく伸びるから動きやすい
主成分の消炎鎮痛成分のサリチル酸グリコール、清涼感を与えるLメントール、血行を促すビタミンEなどが協力して働き痛みを抑えます。
サリチル酸グリコールは鎮痛効果としてはそれほど強めではありませんが、軽い痛みであれば対応できます。薄手のパップ剤であり、角が丸くなっているので衣類などに引っかかりにくく剥がれにくいよう工夫された製剤です。
8位 【第2類医薬品】サロンシップインドメタシンEX

インドメタシン配合のオーソドックスな湿布薬
久光のサロンシップのシリーズにはいくつかのバリエーションがありますが、この湿布薬は優れた効き目をもつインドメタシンが配合されています。白い昔からある一般的な湿布薬でシンプルで使いやすい商品です。
7位 【第2類医薬品】ロイヒ温シップフェルビナク

フェルビナク70mg配合した温湿布
ロイヒつぼ膏は小さなパッチ製剤が特徴的なブランドですが、こちらの商品は湿布タイプになります。薬剤の香りを大幅に減らして気になりにくいように工夫されています。
適度に温めて患部を刺激することで血行を促します。湿布の膏体同士がくっついても剥がれやすいので貼り損じが少ないことも魅力です。
6位 【第2類医薬品】バンテリンコーワパップS

小さなパップタイプの定番薬
バンテリンは湿布薬やスプレーなどの外用消炎鎮痛剤の有名なブランドの一つです。このバンテリンコーワパップSは、水分を含んだ膏体でできたパップ剤なので冷やす効果も優れています。
パップタイプは剥がれやすいことが多いのですがこの商品は伸縮性と密着性に優れているため関節部分に貼っても剥がれにくいことが特徴です。配合されているインドメタシンはフェルビナクと同程度の優れた痛み止め成分です。
5位 【第2類医薬品】フェイタス5.0温感

フェルビナク配合の温感タイプ
この薬には痛み止め成分のフェルビナク5.0%配合されていて優れた鎮痛作用があり、さらにノニル酸ワニリルアミドのはたらきで心地よい温かさを感じる製剤となっています。
冷えると痛むような方におすすめの温感タイプです。貼り心地もよく、全方向に伸縮するため慢性的なテニス肘に悩んでいる方におすすめの商品と言えます。
4位 【第2類医薬品】フェイタス5.0

フェルビナクを高用量配合し優れた効き目
フェイタスはフェルビナクを配合したテープ剤で、このフェイタス5.0は他製剤よりも多くフェルビナクを5.0%配合しています。さらに効き目をサポートするビタミンEが血行をうながし、メントールが清涼感を与えます。
多少メントールの香りはありますが、微香性なので人前では気になりにくいです。テープの製剤開発に定評がある久光製薬の商品で、テープが全方向によく伸びるため関節部位に貼っても剥がれにくいことが特徴です。
3位 ロキソニンテープS
- 詳細情報
- 内容量 7枚
用法・容量 1日4枚以上の使用禁止、2週間以上継続しての使用禁止
※amazon等での取扱いがないため直接公式サイトよりご購入ください
鎮痛薬として有名なロキソニンのテープ剤
ロキソニンは痛み止めとしてよく知られているお薬で、風邪のときや歯痛で貰ったことがある方も多いかもしれません。このロキソニンテープSは医療用として使われているお薬をスイッチOTC化したものです。医療用の製剤と同量配合しているので市販薬でも高い効果があります。
1日1回の貼り替えで効果が持続するので貼り直しの手間がありません。ただし、この薬は要指導医薬品であり薬剤師からの説明を受けた上でないと購入できません。インターネットでは買えない商品となっていますので、使いたい方は薬局またはドラッグストアにて相談してください。
2位 【第2類医薬品】フェイタスZαジクサス

ジクロフェナクナトリウム配合のフェイタスシリーズ
フェイタスといえばフェルビナク配合製剤が主流のブランドですが、こちらの商品にはボルタレンと同じジクロフェナクナトリウムが含有されています。さらにLメントールも配合されており、高い清涼感が魅力です。
テープ剤の品質が高いと言われている久光製薬のテープ剤なので全方向に伸縮性が高く、肘に貼っても動かしやすいことが特徴です。
1位 【第2類医薬品】ボルタレンEXテープ

医療用と同じ成分で1日1回の持続性
ボルタレンという薬の名前を聞いたことがある方も多いと思いますが、飲み薬の痛み止めとしても有名なお薬です。このボルタレンテープは医療用でも使われている「ジクロフェナクナトリウム」を成分として含有し、有効成分が徐々に放出されていくため1日1回の貼り替えで効果が持続します。たてよこに伸縮する密着性の高いテープ剤で、匂いもほとんどなく日中でも使いやすい湿布薬です。
テニス肘を改善するためのセルフケア
テニス肘は湿布薬を貼っても治るわけではなく痛みを和らげているだけに過ぎません。病院での治療と共に、日頃のセルフケアを取り入れていくことも大切です。
肘に負担をかけないように気をつける
多くの場合でテニス肘は腕の使い過ぎや、重たいものを持ったことが原因です。なるべく原因となるような行動は控えるようにすることが大事です。また、糖尿病や甲状腺疾患など病気によって重症化することも報告されています。改善できるのであれば体質を整えていくと良いでしょう。
サポーターやバンドなどのグッズを活用する
テニス肘の改善にはテーピングやサポーター、バンドなどが効果的とも言われています。特にテーピングやサポーターよりも、肘から先にぐるっと巻きつけるバンドが有効だという説もあります。
「エルボーバンド」とも言われるグッズで、痛みが出ている部分より手前を圧迫することで痛みを改善する効果があります。しかし、一説では効かないという意見もあり、使ってみて効果のほどを確かめてみることが必要と思われます。
ストレッチや筋トレで再発を防ぐ
痛みをやわらげるには手のストレッチが効果的だとも言われています。ただし、やり方や時期によっては悪化させることもあるため、適切な方法を医師などから指導してもらうようにおすすめします。
また、再発を防ぐために腕の筋肉を鍛えると肘に痛みが出にくくなります。トレーニング方法についても医師など専門家の指示を仰ぐようにしましょう。
まとめ
テニス肘は湿布薬で治すことはできませんが、痛みを一時的に和らげるために補助的に使うことはできます。市販の湿布薬にはいろいろな種類があるので、効果や剥がれにくさ、肌への負担などを考えて自分にあった商品を選ぶようにしましょう。また、テニス肘を改善するには肘を休ませることが大事です。
痛みが取れない場合には早めに医師に相談するようにしてください。湿布薬などの力を借りつつも、セルフケアを行なってテニス肘の改善に努めていきましょう。
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