おしっこが近くてすぐトイレに行きたくなるという症状は、男女ともに見られますが特に女性に多いのが膀胱炎です。膀胱炎は病院であれば抗菌剤などを使って繁殖した雑菌を抑える治療を行いますが、市販では抗菌剤は販売されていません。市販薬で対応できる病状なのかどうかも含めて、膀胱炎の市販薬は適切に使うことが大事です。
そこで今回は膀胱炎におすすめの市販薬の選び方と人気の市販薬をランキング形式で紹介していきます。膀胱炎で悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
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膀胱炎の原因とは
膀胱炎といっても種類があり、切迫性尿失禁や男性では前立腺肥大のように似たような症状を呈する病気もあります。「トイレが近い」「残尿感がある」という症状は必ずしも膀胱炎とは限りません。
膀胱炎と思い込んで自己判断で対処してしまうと、大事な病気の発見を遅らせて悪化してしまう可能性もあります。一時的に市販薬で対処しても改善しない場合には早めに病院を受診することをおすすめします。
一般的によく膀胱炎と言われるのは、「急性(単純性)膀胱炎」のことです。主な原因は大腸菌であることが多く、女性は特に肛門と尿道が近く尿道から菌が入りやすいため膀胱炎にかかりやすいと考えられています。
また、閉経前の女性は膣の自浄作用で常在菌により大腸菌が繁殖しにくいため大腸菌が繁殖しにくいですが、閉経後は自浄作用が落ちて菌が繁殖しやすくなることも関係があります。
急性膀胱炎では次のような原因が考えられます。
- <主な原因>
- ・トイレに行くのを我慢した
- ・疲労や体調不良
- ・冷え など
トイレが近い、おしっこを出し始めに痛い、スッキリでない、濁りがあるなどのはっきりした症状があれば急性膀胱炎の可能性が考えられます。しかし、慢性膀胱炎の場合には、はっきりした症状がなく症状が悪化したり良くなったりを繰り返します。
原因としても、糖尿病や神経障害、尿路結石など細菌感染が原因とは限りません。原因を特定したうえでの治療が大事であるため、自己判断せずに早めに病院に行くことをおすすめします。
膀胱炎におすすめの市販薬の選び方
膀胱炎に効く市販薬の多くは生薬配合の製剤であり、医療用医薬品で使われる抗菌剤は市販されていません。では、市販薬ではどんなお薬が販売されているのか、症状別に適したお薬を紹介していきます。
トイレに行く回数を減らしたい、残尿感を改善したい女性
膀胱炎の症状で困るのは、トイレに頻繁に行きたくなったり、トイレの後もおしっこが残っているような感じがありスッキリしない等の症状です。これらの症状は仕事や外出にも支障をきたしてしまうので、少しでも改善できると助かりますよね。
市販されているお薬の中では、女性だけが使用できる「フラボキサート塩酸塩」が頻尿や残尿感に効き目をもちます。
この成分は医療用医薬品としても使われていて、市販で買えるようにしたスイッチOTCです。ただし、この薬は男性は前立腺肥大を悪化させる可能性があるため使うことができません。
膀胱での雑菌の繁殖を抑えて膀胱炎症状を改善したい
膀胱炎は膀胱で増えてしまった雑菌が原因で尿が濁ったり、痛みなどの不快な症状をもたらします。この菌を殺菌するには病院では抗生物質を使うことが多いですが、残念ながら市販で買うことはできません。代わりに使えるお薬としては市販では主に生薬や漢方薬になります。
市販されているお薬としては、生薬ウワウルシが抗菌作用のあるお薬として昔から使われています。およそ4日から7日程度続けて服用することで雑菌の繁殖を抑えることができます。欧米やアジアの寒冷地や高地に自生している薬用植物で優れた抗菌作用があることが知られています。このお薬は症状が無くなっても飲みきることが大切です。
膀胱や尿道の排尿時の痛みを緩和したい
膀胱や尿道の排尿時の痛みが辛いという方には、「五淋散(ごりんさん)」、「竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)」、「猪苓湯(ちょれいとう)」があります。
「五淋散」は泌尿器の炎症をとるのに使われる処方で、体力中程度で排尿痛、頻尿、残尿感、尿のにごりがある方に適しています。また、
「竜胆瀉肝湯」は体力が中程度以上で、下腹部に痛みがある排尿痛や残尿感、尿の濁りなどがある時に適した処方です。
「猪苓湯」は、残尿感、尿量の減少や尿がでにくいなどの症状に適した漢方として有名です。どれが合うかは体質にもよるため、迷ってしまう場合には薬局で相談してみましょう。
夜間頻尿、冷えによる頻尿を改善したい
夜にトイレが近くなる、冷えによりトイレが近くなるというのは膀胱炎ではなく加齢や冷えによる「腎」の衰えによる可能性もあります。この場合には、「八味地黄丸(はちみじおうがん)」や「牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)」で効果が得られる場合があります。これらは弱った「腎」の働きを強化して、加齢や冷えによる尿のトラブルに効く処方です。
膀胱炎におすすめの薬ランキング7選
頻尿や残尿感、排尿時の痛みなどの膀胱炎に多い症状を改善する市販薬はさまざまな種類があります。症状や目的によって使い分けることが大事です。
また、治療中の病気がある場合には薬との飲み合わせに気をつけなければいけないお薬もあります。膀胱炎なのかどうかの判断も含めて、市販の膀胱炎のお薬は慎重に使うようにしましょう。
7位 【第2類医薬品】竜胆瀉肝湯エキス錠クラシエ

排尿時の尿道の痛み、残尿感に効く漢方
竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)は、体力中等度以上の方で、下腹部に熱感や痛みがある場合の排尿痛や残尿感、尿の濁り、頻尿などの排尿トラブルに効果のある漢方薬です。
漢方薬メーカーとして人気の高いクラシエのこのお薬は竜胆瀉肝湯のエキスを錠剤にしているもので、味が気になる方や粉薬が苦手な方にも飲みやすいことがメリットです。1日3回服用タイプです。
6位 【指定第2類医薬品】レディガードコーワ

医療用のフラボキサートを用いたスイッチOTC薬
レディーガードコーワは医療用として使われているフラボキサート塩酸塩を配合したお薬です。市販でも買えるように開発されたスイッチOTCとなります。
市販の頻尿のお薬の多くは生薬や漢方が含有されていますが、このお薬に関してはフラボキサート塩酸塩という化合物が使われています。有効成分フラボキサート塩酸塩は、膀胱の調節機能を改善し過敏な状態を改善します。殺菌作用はありませんが、頻尿や残尿感を改善する効果があります。
ただし、男性は使用できないという点、他にも治療中の病気がある場合には使えないことがあります。購入時によく薬剤師と相談するようにしてください。
5位【第2類医薬品】五淋散エキス錠N「コタロー」

2,780円 (税込)
- 詳細情報
- 用法・容量 食前または食間に服用してください。 1回5錠 3回まで
医薬品の種類 第2類医薬品
泌尿器の炎症を取り排尿痛や頻尿を改善
小太郎漢方は医療用でも使われている漢方のメーカーです。五淋散のエキスを飲みやすく錠剤にしたタイプのお薬で、粉薬が苦手な方でも飲みやすい形状です。
苦味も気になりにくいので味が苦手な方にもおすすめです。冷えたときや疲れた時などに見られるトイレが近くなる、痛みが出る、おしっこが濁るなどの症状は膀胱や尿道の炎症が原因です。この漢方や尿道の炎症を抑えて、排尿時の痛みや頻尿を改善します。
4位 【第2類医薬品】ツムラ漢方猪苓湯エキス顆粒A

排尿困難や排尿痛のあるときに適した漢方
猪苓湯(ちょれいとう)は膀胱炎に限らず、おしっこを出しにくいと感じるとき、排尿時に痛みを感じるとき、頻尿やむくみがあるときに使われる漢方薬です。
特に体力に関わらず使うことができ、排尿異常があり、ときに口が渇く場合に適した処方です。漢方で有名なツムラの市販薬であり、1日2回の服用で良いので忙しい方でも飲み忘れにくいことが利点です。
3位 【第2類医薬品】ベアベリックス

生薬ウワウルシが繁殖した菌を殺菌
ベアベリックスは薬用植物・ウワウルシを有効成分とした飲みやすいドライシロップタイプの飲み薬です。粉のようになっていますが、水に溶かすとシロップのようになりサッと飲むことができます。
ウワウルシの殺菌作用により残尿感や排尿時の不快感を改善します。菌を排出するには4から7日続けて飲むこと、水分を十分に取ること、トイレを我慢しないことも大事です。
2位 【第2類医薬品】ボーコレン

繰り返す排尿時の痛み、頻尿などの辛い症状を改善
小林製薬から販売されている膀胱炎のときに使えるお薬です。配合されている「五淋散」は、抗菌・抗炎症作用、傷修復・血流改善作用、利尿作用のある11種の生薬が組み合わさって働きます。
炎症を抑えながら菌を洗い流すことで膀胱炎の症状の改善を促します。五淋散はおしっこにまつわる5つのトラブルを改善するために組まれた処方です。このボーコレンは錠剤タイプなので漢方の苦味や粉薬が苦手な方でも飲みやすいですよ。
1位 【第2類医薬品】腎仙散

ウワウルシと生薬成分が殺菌して膀胱炎症状を改善
膀胱炎の治療でよく病院から処方される抗菌剤の代わりとして市販薬で対応するならば、腎仙散が近い作用を持っています。このお薬にはウワウルシが配合されており、悪い菌を殺菌します。
同時に配合されているタクシャ・ブクリョウ・ジオウが尿と一緒に悪い菌を洗い流すのを助け、インチンコウ・シャクヤクが炎症を抑え、シャクヤク・ボウイが排尿後の痛みを改善します。殺菌して十分にきれいになるまで洗い流すには4から7日程度続けて服用することが必要です。また、合わせて冷えないように心がけ、水分補給も十分に行うようにすると良いでしょう。
膀胱炎におすすめの薬の比較一覧表
商品画像 | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
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商品名 | 【第2類医薬品】腎仙散 | 【第2類医薬品】ボーコレン | 【第2類医薬品】ベアベリックス | 【第2類医薬品】ツムラ漢方猪苓湯エキス顆粒A | 【第2類医薬品】五淋散エキス錠N「コタロー」 | 【指定第2類医薬品】レディガードコーワ | 【第2類医薬品】竜胆瀉肝湯エキス錠クラシエ |
特徴 | ウワウルシと生薬成分が殺菌して膀胱炎症状を改善 | 繰り返す排尿時の痛み、頻尿などの辛い症状を改善 | 生薬ウワウルシが繁殖した菌を殺菌 | 排尿困難や排尿痛のあるときに適した漢方 | 泌尿器の炎症を取り排尿痛や頻尿を改善 | 医療用のフラボキサートを用いたスイッチOTC薬 | 排尿時の尿道の痛み、残尿感に効く漢方 |
価格 | 1,810円(税込) | 1,277円(税込) | 2,988円(税込) | 1,417円(税込) | 2,780円(税込) | 2,139円(税込) | 1,144円(税込) |
詳細 | 用法・容量 1回1包 3回まで 医薬品の種類 第2類医薬品 | 用法・容量 1回量4錠 3回まで 医薬品の種類 第2類医薬品 | 用法・容量 1回1包を1日3回食前 医薬品の種類 第2類医薬品 | 用法・容量 1日2回 1回1包 医薬品の種類 第2類医薬品 | 用法・容量 食前または食間に服用してください。 1回5錠 3回まで 医薬品の種類 第2類医薬品 | 用法・容量 1回1錠 3回まで 医薬品の種類 指定第2類医薬品 | 用法・容量 1日3回 1回4錠 医薬品の種類 第2類医薬品 |
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膀胱炎のセルフケアと予防法
膀胱炎を早く治すにはお薬を使うだけではなく、セルフケアを取り入れることが大事です。お薬を飲んでいるだけではじゅうぶんな効果が発揮されません。また、セルフケアにより菌の排出を促して改善することもできます。
さらに膀胱炎はくり返すことが多く、しっかり治しておかないと再び症状が出てきてしまうことも多いので注意が必要です。再発を防ぐためにも次のようなセルフケアを日常的に取り入れていきましょう。
水分はじゅうぶんに摂り、トイレを我慢しない
膀胱炎になったとき、トイレが近くなるのが嫌で水を飲まないようにしてしまう方がいます。しかしこれは逆効果になり、水分をじゅうぶんに摂って尿と一緒に菌の排出を促すことが大切です。膀胱炎になりやすい女性はとくに普段からお水をたくさん飲むようにしましょう。
また、普段からトイレはまめに行くようにすることも大事です。膀胱がパンパンになるまで我慢してしまうと、膀胱の中で雑菌が繁殖してしまいます。少なくとも3、4時間に1回はトイレに行くようにしましょう。それ以上行く気が起きないような方は、水分摂取量が少ないかもしれません。お水を飲んでトイレに行くというサイクルを作るようにしましょう。
排便時は前から後ろに拭く習慣をつける
女性では肛門と尿道が近いために肛門からの大腸菌などが尿道で繁殖しやすくなります。これを防ぐには排便時の拭き方が大事であることは意外と知られていません。排便時は前から後ろに拭くようにして、肛門の汚れが付かないようにすることが大事です。
冷え対策と疲労を溜めない生活を
体が冷えた時や冬場などは膀胱炎の症状が起きやすいと言われています。膀胱炎になりやすい方は日頃からお腹周りを冷やさないように気をつけましょう。特に夏場もクーラーが当たらないようにブランケットを使うなど工夫してみましょう。お風呂に入って身体を温めるのも良いでしょう。
また、疲労が溜まってくると免疫力が落ちて膀胱炎になりやすくなります。十分に栄養をとり、睡眠・休息の時間を確保することも大切です。
まとめ
膀胱炎におすすめの市販薬を紹介してきましたが、参考になったでしょうか?トイレが近い、残尿感があるなどの症状は膀胱炎によく見られる症状であり、原因にもよりますが市販薬である程度緩和することができます。
ただし市販薬を使っても改善できない可能性もあるため、服用してから症状が変わらない場合や悪化してしまった時には早めに病院を受診するようにしてください。また、お薬を使うだけではなくセルフケアや予防対策も行なって膀胱炎の再発を防ぐことも大切です。
ご自分にあった療法で症状の改善を目指してみてください。
この記事を監修したのはこの人!
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